引用:『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 公式サイト』
今年の夏はBDレンタルでスターウォーズをエピソード1から年代順に見てみたK2です。
もちろんローグワンも3と4の間に入れました。
先日、テオ・ヤンセン展を見た後にイオンシネマ津にて、
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を見てきました。
公開されたときは見に行くつもりはなかったんだけど、
あるルートで手に入れた(ちゃんと正規なルートですよ)イオンシネマのチケットが、もうすぐ有効期限切れになってしまうので、見に行くことにしました。
一枚300円で手に入れたイオンシネマのチケット。
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
原作は岩井俊二、監督が新房昭之、アニメ製作がシャフト、ということで、私としては期待値が高いメンツが揃っています。
知らなかったんですが、1993年に実写ドラマがあったらしいです。
で、感想なんですが・・・
なんというか、正直パッとしなかった?
圧倒的な映像美や10代ならではの心の機微の表現方法など、さすが新房監督+シャフトだと思うし、物語や設定そのものも、私が好きな部類です。
ただ、なんというかうまく言えないけど、
「映画館で見る作品」としては「わかりにくい」と思いました。
※注意!! 以下、少しネタバレありです。
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物語は、主人公が後悔する「もし、あのとき○○していたら・・・」を、ある方法で時間を遡り、
やり直していく、いわゆるタイムリープものです。
映画に限らず小説やマンガ、アニメでもこの手の「タイムリープ」「平行世界」「異世界転生」などは特に最近、大流行で食傷気味とも言えますが、私は大好きで何杯でも食えます。
スッキリしなかった
タイムリープなどがどういう原理で起こるのかは全く重要ではありません。
しかし、作中でそれが起こるには「理由」と「決着」がないといけないと思います。
「理由」とは、なぜ起きたかという原理(設定)ではなく、誰がなぜ起こしたかという必然性です。今作で言えば、前出の「もし、あのとき・・・」という思いと行動です。
「決着」とは、それを起こしたことにより「どうなったか」です。
タイムリープにより過去が変わったとか変わらなかったとかという結果ではなく、その結果により誰がどうなったか、どうしたか、どう思ったか、などです。
今作では、この「決着」が私にはよく読み取れませんでした。
主人公は作中で何度かタイムリープします。それぞれの「理由」については叶えることができ「決着」めいたものも見て取れますが、肝心のラストがよくわからない。
いっしょに見た妻も「???」って感じでしたし、他の観客も「えっ?終わり??」ってつぶやいてたので、私だけがわからなかったわけじゃなさそうです。
映画館で見る作品の在り方
ご存じの通り、ラストを謎のまま終わらせる作品はたくさんあります。
今作は「謎で終わった」のかどうかすらわからなかった。
いや、そういう類いのものではなかった気がする。
最後のタイムリープ後、主人公もヒロインも出てこない。
わかるのは学校での点呼でヒロインが呼ばれない(転校した)ことと主人公が欠席していることだけ。何度かタイムリープしたけど結果は変わらなかった。というのはわかるが「決着」がわからないからモヤモヤする。
今作には「円形」をモチーフにしたシーンが数多く登場します。
円形の校舎、螺旋階段、回る風車、灯台のレンズ、キーアイテムの玉、などの映像がそこかしこに挿入されます。ただ、それが何を意味するか最後までわかりません。
もしかしたらストーリーに重要な伏線なのかもしれませんし、これ以外にも伏線があったのかもしれませんが私にはわかりませんでした。
視聴者である私がわからなかったということは、
制作者の意図が伝わらなかったということです。
これは非常にもったいないことです。
DVDやマンガや小説などのように、もう一度見返すことが容易なメディアだったら、2回目にはその意図に気付いたかもしれません。でもこれは、映画館で見るという1度しか見られないメディアです。(後にDVDなどにはなるでしょうが)
であるならば、初見でもその意図が理解できるような見せ方・演出にする必要があったのではないでしょうか?
まとめ
私はもちろん映画や小説、マンガなどの物語作品を作ったことはありません。
強いていえば、RPGツクールでちょっとRPGゲームを作ったぐらいでしょうか。しかも未完。
もし、そういう制作に携わる方がこれを見てお気を悪くしたらごめんなさい。
何も知らない者の戯言だと聞き流してください。
でも、私は(たぶん多くの視聴者も)知りたいのです。
作品に込められた制作者サイドの意図を。
それがストーリーとは外れたお遊び的要素でもいいんです。
しかし、なずなちゃんは中1には見えんぞ!!