テオ・ヤンセン展

新型iPhoneが発表され、いつ頃どれを買おうか悩み中のK2です。

昨日、弊事務所は振替休日としましたので、前々から行きたいと思っていた三重県立美術館で開催中のテオ・ヤンセン展に行ってきました。

テオ・ヤンセンといえば「砂浜をガシガシ歩く、竹で組まれた巨大な物体をつくっている人」くらいのイメージしかありませんでした。

この謎の物体、ほとんどCMか何かの映像でしか見たことありませんが、以前に一度だけ実物を見たことがあります。
9年ほど前にスペイン旅行をした際、マドリードのソフィア王妃芸術センター新館の屋外ロビーに1台だけ展示されてました。

その時撮った写真が上ですが、この時はツアーバスを降りて本館の美術館へ行く途中で、じっくり見ることはできず目の前を素通りしただけでした。
ちなみに美術館にはピカソのあの有名な「ゲルニカ」があります。

あいかわらず前置き長くなりましたが、以下から本題のテオ・ヤンセン展の内容です。

人工生命体ストランドビースト

エントランスホールで早速巨大な謎の物体がお出迎え。

名前はアニマリス・シアメシス(スイシディーム期 2009-2011)

オランダのアーティスト、テオ・ヤンセンは「進化というものを自分の目で観察したかった。」そのために彼がつくりあげたのが砂浜の生物「ストランドビースト」です。
風を食べて動くこの人工生命体は、彼のアイデアや技術によって年々進化して新しいビーストが誕生しています。

エントランスホールのこのストランドビーストは過去最大級のものらしいです。
ヤンセンはビーストに「アニマリス」という学名を冠しており、「海の生物」を意味するヤンセンの造語だそうです。

進化するビースト

テオ・ヤンセン展はフラッシュを焚かなければ写真撮影OKで、ネットへの公開も自由とのことでしたので、ここで展示物のいくつかをご紹介いたします。

アニマリス・リジデ・プロペランス(タピデューム期 1994-1997)

プロペラで風を受け、横方向に高速移動できたらしいが現在は「化石」
ヤンセンは動かなくなったストランドビーストを化石と呼んでいます。
また、新たなコンセプトへの移行や製作技術の転換などによりストランドビーストを年代ごとに分類しています。タピデューム期はプラスチックチューブから作られたパーツ(遺伝子)を組み合わせることで、同じ個体の複製が次々に生み出され(生殖)、群れを成した時期。ストランドビーストの歴史ではわりと初期の時代。

アニマリス・トゥルゼンティア・ヴェーラ(アウルム期 2013-2015年)

大きな帆によって弱い風でも動くことが可能。展示では外されていたが、転倒防止の「尾のようなもの」があるらしい。

アニマリス・ペルシピエーレ・レクタス(セレブラム期 2006-2008年)

ビーストを動かすエネルギーはこれまでは自然の風だったが、ひとつ前の時期から風をペットボトルに貯めた圧縮空気へと変わり、ビーストは自ら動く存在へと進化していた。(ヤンセンは圧縮空気を利用して動く構造を「筋肉」と呼んでいた。)
このセレブラム期には、さらに危険を感知し、自ら回避するまでに進化しています。

上の写真のレクタスは、強風が吹くと体が飛ばされないように頭部(写真左下)のハンマーで杭を砂浜に打ち込み地面に固定し、それを軸に風に頭部を向けるように回転移動して、横風を回避するそうです。「感覚器」「神経細胞」「脳」を持つまでにいたっている。

テオ・ヤンセン展では、毎時ちょうどにデモンストレーションを行い、3種のビーストが動くところを観られます。私は13:00と14:00の2回観ることができましたが、時間によって観られるビーストが違うようです。

13:00の回では上のレクタスがハンマーを打つところが観られました。(超地味だった・・・)
その他いくつか動画を撮りましたのでアップしてみます。

アニマリス・プロボシス(アウルム期 2013-2015年)

象の鼻のような部分を上下左右に動かすことができる2体1組のビースト。現在は鼻を動かすだけだが、将来的には砂浜の砂の硬軟を感知して安全な場所を確保したり、ビースト同士のコミュニケーションのための機能へ進化する可能性をもたせている。
これは、13:00と14:00の両方のデモンストレーションで観られました。

アニマリス・ユメラス・セグンダス(スイシディーム期 2009-2011年)

脚がある姿勢をとると接合部にある「筋肉」が動き出して歩行を行う。スキーのスティックのように地面を押して動く駆動システムに変えることで駆動速度を速め、砂浜で脚が砂に埋もれにくいように進化している。
また頭部から地面近くに垂れている細いホースは「水の感触器」となっている。ホースは通常空気を吸入しているが、水(海)に触れると吸気抵抗が増し、ビーストはそれを感知して水没を回避(止まる?)するらしい。

アニマリス・オルディス(セレブラム期 2006-2008年)

風を受ける帆やバランスを取る尾(展示では取り外されている)にいくつかのバリエーションがあるタイプ。比較的小さくて軽量なため、自然の風でも素早く走ることができるらしい。
これはデモンストレーションではなく、順番待ちさえすればいつでも自分で手で押し引きさせてもらえます。
私も体験してきました。その時の動画です。

アニマリス・ブルハス・プリムス(ブルハム期 2016〜)

今まではそのほとんどが脚による移動だったが、近年誕生した芋虫のようなキャタピラ型のストランドビースト。奇数個の同じ形状のパーツを並べ、前後と真ん中を固定する。そうすることで全体が上下にうねりながら進んでいく。
まだ、風力を動力とする形にいたっていないが、これからどのような進化を見せるのだろうか。

アニマリス・ブルハス・ウミナミ(ブルハム期 2016〜)

最新作のストランドビースト。
三重県立美術館でのテオ・ヤンセン展開催を記念して名前の公募が行われていたが、先日名前が発表された。「ウミナミ」は海がきれいな三重が由来だそうだ。
観たところ、今までのビーストの中で一番シンプルでパーツ数も少ないようだ。
こちらも13:00と14:00の両方のデモンストレーションで動かしており、観覧者のなかから希望者の数人も動かすことができます。

今後、ストランドビーストがどんな進化をするか楽しみになりました。
とりあえずは動力源が風なのか筋肉なのかわかりませんが、キャタピラ型が自走できるようになることが当面の目的なのでしょうか?

テオ・ヤンセン展は、9月18日まで三重県立美術館で開催されています。
今週末の連休までですので、ご覧になりたい方はお見逃しなく。

このあと10月より、沖縄で開催されるようですが。

まとめ

今回初めて間近で見てわかったことがあります。

素材は竹じゃなかった。

素材はプラスチックのパイプ。オランダではDIYショップによく売られているごく普通のプラスチックチューブだそうだ。

なぜか竹だと思い込んでいましたが、よくよく冷静に考えてみれば全てが均一な太さ・色だし、竹なわけがないわな。ていうか、そもそもオランダに竹があるのか?

ヤンセンはビーストを構成する全てをプラスチックチューブでつくりたいと思っていたらしい。「自然の大部分がタンパク質でできているように、私も独自の生命体を単一の物質から作りたいのだ。」と言っていたようだ。一部の例外はあるけれど、今でもこのプラスチックチューブで作っている。

日本で言えばVU管が近いかもしれない。でももうすこし弾性があるような気がする。
フラフープを真っ直ぐした感じ?

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