瞑想の森 市営斎場 を見学

建築

先日の5月5日に、以前から見てみたいと思っていた、
岐阜県各務原市の「瞑想の森 市営斎場」を見学しました。

事前に見学について各務原市役所に聞いたのですが、

  • 元旦と友引の日は休館日で見学不可。
  • 施設の用途上、いつ葬儀があるかわからないので見学予約は不可。
  • 通常、施設の利用は10:00以降が多いので、開館時間の8:30から10:00の間に見学してほしい。
    (ただし当日、急に葬儀が入るなど見学できない場合あり)

8:30に現地に着くには、6:40頃出発しなければなりません。
これがネックでなかなか腰が重かったのですが、ゴールデンウィークだし思い切って早起きして行ってきました。

現地についたら早速受付で見学のお願いをします。
建築界では有名な建物で外国からの見学者も来るくらいなので、職員は慣れているようでした。
スタッフエリア以外は自由に見学をしていいこと。写真撮影も自由にOK。
今日は11:00から利用があるので、10:30までには内部の見学は終わること。
外部の見学や写真撮影の時間制限はないが、利用者の気持ちに配慮すること。などの説明を受け、
おそらく見学者用と思われるパンフレットもいただきました。

写真多めですが、ご紹介します。


東側正面
緑豊かな里山をバックに、白いベールをふわっとかぶせたような特徴ある外観。
設計は、世界でも活躍する伊東豊雄氏。


建物北側に池があります。
屋根から垂れ下がるように落ちている柱は、内部に雨樋が仕込まれています。


池の対面より見る。
屋根のうねりがよく見えます。
外壁は全面ガラスのため、屋根が浮いているようにも見えます。
風と水草がなければ、きれいに水面に映りそうです。


エントランスホール
正面奥のボックスが受付・事務室。
外壁となるガラスのジョイントはシールのみのようで、車のディーラーなどで見かける垂直方向の控え壁がありません。そのかわり(測ってないのでだいたいですが)高さ4.5m付近まで天井から支柱が下りています。
また、高さ5m付近を越える高い部分はガラスの製作限界のためか水平のジョイントがあります。


同じくエントランスホール
この施設には告別室が2室あり、それぞれへの入口が正面にあります。
屋根のうねりがそのまま天井となる部分には照明がありません。
照明は壁の上(この写真の場合は、右手の石貼りの壁の上)に設置されており、うねる天井を照らしてその反射光で明かりを確保する間接照明としています。


炉前ホール
エントランスホールから告別室を抜けると炉前ホールに出ます。
写真右手に告別室へのドアと収骨室へ続くドア、左手が炉室、正面が待合ロビーに通じます。


待合ロビーとのガラス間仕切りには、木の枝?あるいは生い茂る草のような装飾が施されています。


スチールのフラットバーを曲げ加工したものを間仕切り及びドア枠・ドアに取付けてあります。


炉室側の壁及び扉にも同様のデザインの装飾がされています。


炉前ホールから待合ロビーに出ると、正面に池が見えます。


待合ロビーからエントランス側(東側)を見ます。
内部なのか外部なのか曖昧な空間です。


待合ロビーから炉前ホール側を見ます。
先程のガラス間仕切りが見えます。


待合ロビーから西側を見ます。
斎場には似つかわしくないグランドピアノが置いてあります。
友引の日などの休館日に、ときどきミニコンサートなども開催されるそうです。
この奥に待合室があります。


待合室は3室あり、上の写真は一番奥にある和室タイプの待合室。
エントランスホールなど背の高いガラス部分には天井から支柱がありましたが、ここはガラスの高さが低いためか支柱がありません。


こちらは円卓が4つほどある洋室タイプ。


こちらは長いソファのある、もうひとつの洋室タイプ。
写真正面の壁の向こうがグランドピアノがおいてある待合ロビー。


エントランスロビーに置かれているベンチ。


木目が違う5種類の板を重ね貼り合わせ、皿のように削ることで模様を出しています。

「斎場」というカテゴリーの建物はあまり見る機会がありません。とてもいい経験になりました。

名  称  瞑想の森 市営斎場
設計監理  株式会社 伊東豊雄建築設計事務所
建築面積  2,269.66㎡
延床面積  2,264.57㎡
構  造  鉄筋コンクリート造(自由曲面シェル構造)2階建

タイトルとURLをコピーしました